播州織のルーツ

兵庫県西脇市を中心とする播州地方で生まれた「播州織」は、糸を先に染め、染め上がった糸で柄を織る「先染」が特徴です。そのルーツは、京都・西陣の先染織物。1792(寛政4)年、京都で宮大工の職にあった飛田安兵衛が西陣の織物技術を持ち帰ったことが始まりと伝えられます。安兵衛は宮大工の技を生かし、当時すでに播州地方で自家衣料用として栽培されていた綿を紡ぐ織り機の改良を試みました。

以来、「絹織物の西陣織」に対し「綿織物の播州織」の名は、美しく豊かな色彩と肌ざわりの良さ、優れた加工技術により地場産業としてこの地に根づき、国内はもとより世界のファッションにも欠かせない存在となっています。

播州織をはぐくむ土壌

兵庫県の中央に位置する播州地方を悠々と流れる加古川は、古来よりこの地に暮らす人々の生活になくてはならないものでした。
染色、織、加工と続く繊維の生産工程で、なによりも大きな役割を担うのがこの「水」です。海外の硬水に比べ軟水が主流である日本のなかでも、加古川の水質は群を抜く超軟水。不純物とともにミネラルなどの鉱物が少ない水質は、染料の特質を最大限に引き出し、鮮やかな色彩はもとより微妙な色合いの発色を実現します。
また、山に囲まれた地形によって適度な湿度が保たれ、乾燥による糸の切れが起こりにくくなることが、繊細で複雑な織の技術を可能にしたともいわれています。

時代は移りゆくとも、「播州織」をはぐくむ川の流れは変わりません。その流れのごとく、卓越した技術を紡ぎ後世に伝える人々により、「播州織」は脈々と受け継がれているのです。

産地と職人の技術

良質な水と200年を超える伝統により紡がれる「播州織」は、世界のファッション業界から高い評価をかちとり、国内ではそのシェアの80%を誇ります。これを可能にしたのが、糸・染・織・加工の工程を経て1枚の生地が完成するまで、それぞれの現場を支える職人たちの技術です。播州地方のテロワールと匠の技、このふたつが車の両輪のように支え合いながら、「播州織」は常に一歩先の未来へと進化を続けています。

染色

[カセ染]高級品・シルクのような風合い

糸を輪のようにひとまとめにしたカセ形状にして染める昔ながらの染色法です。他の染色に比べ4倍以上の手間と時間を要しますが、余分な力が加わらないため丸みのある糸に仕上がり、他の方法では表現できないボリュームと風合いをつくりだすことができます。染色から乾燥に至るまで熟練した職人の手により手間ひまかけて丁寧に扱われ、高級品、海外メゾンのブランド衣料などに使われます。

[チーズ染色]汎用品・高品質なものを大量生産

数多くある染色法のなかでも、代表的な方法です。素材と用途に合わせて原糸を均一な密度でチーズ状に巻き、パッケージングのまま高温高圧型の染色機に入れて染色・乾燥まで行います。生産効率がよく、安定した品質を確保できるうえ、排水量が少なく環境への負荷を減らすことができるのも特徴です。

国内シェア80%を誇る、わが国最大の先染織物産地の主翼となる部門です。「播州織」の色彩と風合いを最もよく表すストライプとチェック柄を中心に、小さな織り柄と独特な光沢が特徴のドビー、織り柄で複雑な模様に仕上げるジャカードなど、多彩な柄が表現されます。装置の種類の豊富さと、それを操る職人の技術から小ロットにも対応し、短期納品を可能にしています。

加工

織りあがった生地に、さまざまな風合いと機能性を施します。絹のような光沢を出すシルケット加工、しわ、起毛などのほか、涼しさを感じる吸水速乾、防臭抗菌、UVカットなど加工の種類は多種多彩。
なかでも、横糸を柔らかな曲線に移動させ、独特のニュアンスを醸す「クラッシュ」加工は、世界でも類を見ない高度かつ特殊な加工法。「ジャパンクリエーション2005テキスタイルコンテスト」において入賞を果たすとともに「第1回ものづくり日本大賞」にて内閣総理大臣賞を受賞、のちにパリで開催された世界的な繊維展「エキスポフィル」においてもジャパンテキスタイルコンテスト・エキスポフィル賞に輝きました。
加工前と加工後、すべて人の目による目視の品質検査により、高品質の製品を作り続けています。

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